自分の頭痛タイプを知ろう
自分の頭痛タイプを知ろう
頭痛の種類は思いの他たくさんあり、それぞれ原因やメカニズムは違います。脳のなかに腫瘍が出きたり、出血などで血が溜まったりすることで、脳を圧迫して頭痛を引き起こすケースもあります。しかし、ほとんどの頭痛で共通しているのは、血管の拡張とそれにともなう周囲の炎症です。脳を被っている膜(髄膜)
他にも、いまだに仕組みやメカニズムが解明されていない頭痛も多くあります。
一般的な頭痛が引き起こされる原因は、「ストレス」や「悪い姿勢」「生活の乱れ」の3つが挙げられます。
ストレスが溜まると、脳の血管を収縮させるセロトニンという物質が出ます。脳内にあるセロトニンは元々少量しかないため、すぐに欠乏し、その時に急激に血管が拡張してしまい、頭痛が引き起こされると考えられています。
ストレスや悪い姿勢は、首や背中の筋肉を固くします。
筋肉が固くなると乳酸が溜まってしまい、それが神経を刺激することで頭痛発作が起こってしまいます。
生活の乱れも頭痛の原因となります。睡眠リズムが乱れていたり偏った食生活を続けたりすると、自律神経のバランスが崩れます。自律神経は身体の調子を整える働きがあり、血管の収縮や拡張もコントロールしています。よって自律神経が乱れると、血管が過剰に収縮したり拡張したりしてしまい、その結果血管周囲の炎症を引き起こし、頭痛が起こってしまうのです。
頭痛は、原因の分かるもの、分からないもの、その他の3つに分類されています。ここでは、現時点で分類されている頭痛について説明いたします。
慢性頭痛は一次性頭痛と呼ばれている頭痛で、頭痛そのものが病気とされるものです。片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛などがあげられます。慢性頭痛は人によって引き起こされる原因が違ったり組み合わさっていたりします。特に片頭痛と緊張型頭痛の症状が同時に起こっている方も少なくありません。慢性頭痛は、人それぞれで起こるメカニズムが違っていることから、その症状の出方にも個人差がみられます。つまり、人によって頭痛の痛みの強さが違ったり、頭痛の出る部位がバラバラだったりするのが慢性頭痛の特徴です。 慢性頭痛は、原因やメカニズムがはっきりと分かっておらず、症状に個人差が大きいことから、治療の内容もその人に合わせた方法をとります。原因を直接治療するのが難しく、基本的には症状を緩和することを目指します(対症療法)。
危険な頭痛の多くは、二次性頭痛と呼ばれ、頭痛が他の病気の一症状となっているものです。脳内の腫瘍や出血、感染症などが頭痛を引き起こす原因となる場合が多いです。危険な頭痛(二次性頭痛)は、慢性頭痛に対して急性に発症します。つまり、急激な強い頭痛として現れるケースが多いです。そして、頭痛の原因となる病気や出血、感染症も一気に悪化してしまうことが多く、そのまま放置すると命にかかわることになります。危険な頭痛は、原因が明確であるため、原因となる腫瘍や出血、感染症などを直接治療することになります(原因治療)。さらに、危険な頭痛の多くは緊急処置を要する病気や外傷なので、緊急手術や投薬治療を行うことになります。
日常的な頭痛とは、誰もが経験するような風邪や二日酔いなどの頭痛です。昨日は呑みすぎたから頭が痛いな」といった経験をしたことが一度はあるのではないでしょうか。日常的な頭痛は、一時的なもので数時間~数日間で改善することがほとんどです。安静にしていれば治るものもあれば、痛みが強くても市販薬で対処できるケースがほとんどでしょう。
慢性頭痛と言われる片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛を発症する方には一定の共通した特徴があります。それぞれ頭痛の起こるメカニズムは違いますが、生活習慣や日常生活の過ごし方などは似通っている部分があるようです。
これらの特徴に当てはまる数が多いほど、慢性頭痛を発症する可能性が高いでしょう。頭痛を発症する原因として、体質や遺伝などの要因が関わっていると考えられていますが、普段の生活習慣も大きく影響します。生活習慣が引き起こす頭痛の原因とは「ストレス」です。ストレスは頭痛に限らず、様々な病気の元となり得るものであり、健康な体の最大の敵といえます。ストレスとひとことで言っても、精神的なストレスだけでなく身体的なストレスもあります。精神的なストレスは、身体にも悪影響を及ぼします。実際にうつ病を患っている方の身体は固いことが多いです。逆に言えば、上に挙げた生活習慣と反対の生活を送るように意識することで、健康的な精神や身体を得ることができます。例えば、規則正しい生活や充実した食事、適度な運動、禁煙・禁酒を心掛けることで、頭痛の発症を予防することができるのです。頭痛が起こりやすい人の特徴に当てはまってしまった方は、ぜひ生活を改めるようにしてください。
片頭痛の症状や痛みの程度は非常に個人差が大きく、しばらく放置しておけば痛みが引く程度の軽度な方から、寝込んでしまうほどの重度な方までいます。片頭痛が軽度な方であっても、なにも対処しなければ将来的に痛みが強くなってしまうこともあるようです。下記チェックリストを参照し、まずはあなた自身が片頭痛であるかどうかを知っておきましょう。
片頭痛を持っている方のうち、20%~30%の方に特徴的な前兆がみられると言われています。この前兆は片頭痛特有のものであり、頭痛の前にこの兆候がみられる方は片頭痛である可能性が高いと言えるでしょう。それでは、片頭痛でみられる特徴的な前兆とはどのようなものなのでしょうか。その前兆とは、「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれるものです。具体的にどのような兆候なのかと言うと、よく例えられるのが「カメラのフラッシュ」です。目の前でカメラのフラッシュをたかれたかのように、視界が一瞬チカっと光ったように感じます。また、「ギザギザな光が見える」という表現を使われることも多いようです。この片頭痛の前兆である閃輝暗点は、5分~20分間続くことが多く、長くても60分以内には消失します。そして、閃輝暗点が出現中から出現してから60分以内に片頭痛が出現します。この閃輝暗点が見えた後、どのくらいで片頭痛が出るかについては個人差があります。片頭痛を持っている方のなかには、この特徴的な前兆から「もう少しで片頭痛が出るな」と予測している方もいるようです。
残念ながら片頭痛の原因はハッキリと解明されていないのが現状ですが、片頭痛が起こるメカニズムについて有力な仮説が立てられています。
片頭痛の原因とされている仮説は、「三叉神経血管説」と呼ばれています。三叉神経はあまり聞き慣れないものですが、顔の皮膚の感覚や筋肉の働きから、目や口、鼻の粘膜の感覚までをカバーするとても大切な神経です。この三叉神経は、脳のなかの太い血管や脳を被っている硬膜の血管の周りにあります。なんらかの原因でこれらの頭蓋内血管に分布する三叉神経が刺激されると、血管作動性物質(CGRP)が放出されてその血管が拡張します。無理に拡張された血管のまわりは炎症を起こし始めるとともに(神経原性炎症)、三叉神経は痛みの原因となる物質を出す性質があるため、さらに痛みが強くなってしまうという悪循環が生まれます。また、三叉神経が出した痛みの原因となる物質は、脳の聴覚や視覚、嗅覚、嘔吐中枢にも伝達されてしまいます。それにより、まぶしさや音、においに過敏になったり、嘔吐してしまったりといった症状が引き起こされます。
片頭痛の症状が重く、日常生活に支障が出てしまうレベルの方は、病院で処方される薬によって治療します。片頭痛で処方される薬は人それぞれ異なりますが、ここでは処方されることの多い2種類の薬をご紹介します。
頓挫薬はトリプタン系薬剤という薬がよく処方されます。最近ではラスミジタンという新薬もでました。頓挫薬は片頭痛の症状が出始めたら飲む薬です。この薬は、血管周囲の炎症、血管の拡張、三叉神経から出される痛み物質の3つを抑えることができるため、痛みの元全てに対して効果があるとされています。また、一般的なアセトアミノフェンや非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)もよく用います。それでも頓挫薬では対処しきれないような重度の方には、予防薬が服用されます。予防薬は文字どおり片頭痛が出ないようにする薬です。しかし、この薬を毎日服用することで、身体には大きな負担がかかってしまうので、症状の改善がみられたら徐々に減らしていくなどの対応をすることがほとんどです。最近では痛み物質であるCGRPを直接ブロックするCGRP関連抗体薬が開発され使われています。これは注射薬であり1か月に1回注射すれば1か月間予防効果が維持できます。
片頭痛の症状が軽い場合は、サプリメントや漢方、食事からの栄養摂取で治療します。サプリメントでの治療は、ビタミンB2を積極的に摂取する方法をとります。ビタミンB2は片頭痛の改善が期待できる効果が見込まれています。食事においても、主にビタミンB2を意識的に摂るようにします。ビタミンB2が含まれている食品としては、納豆、レバー、ウナギ、乳製品が挙げられます。漢方治療では、呉茱萸湯や五苓散などが片頭痛に効果があるとされています。
片頭痛の症状を予防・改善するためには日ごろの心掛けも大切です。以下の3つの方法が効果的です。
片頭痛の誘因として、ストレスや生活リズムの乱れ、強い外部刺激が挙げられています。これらを解消、改善することができれば、現在の片頭痛の状態が少しずつ良くなっていくことでしょう。例えば、精神的なストレスを解消するために、スポーツで身体を動かしたりレジャーを楽しむと良いでしょう。また、睡眠リズムを整えるために、決まった時間に寝たり夜更かしをしないようにしたりといった心がけも大切です。寝不足はもちろんですが寝過ぎも片頭痛を起こしてしまいます。休日だからといって寝すぎ(寝だめ)は要注意です。まぶしさや大きな音といった強い外的刺激も片頭痛の誘因となります。たまにカラオケに行ったりまぶしいライトを見たりする分には問題ありませんが、日常的にそれらの刺激に触れることは危険です。どうしてもそのような環境が避けられないのであれば、耳栓をしたりサングラス(弱い緑色の光が良いとされます)を着用したりするなどし、刺激を軽減させるようにしてみましょう。これらの予防・改善方法に取り組んでも片頭痛が改善しない場合は、症状が重度化していることも考えられます。片頭痛は比較的一般的な症状なのでどうしても放置してしまいがちですが、重度化していくと日常生活でも大きな負担となってしまいます。そのような場合、病院を受診し医師の判断を仰ぐことも検討しましょう。
あまり聴き慣れない頭痛の名前ですが、実は日本人の30%以上は一生で一度は経験すると言われています。頭痛でお悩みのあなたは、もしかしたら緊張型頭痛による症状が出ている可能性があります。下記チェックリストを参照し、緊張型頭痛であるかどうかを知っておきましょう。
緊張型頭痛は、その原因から現代病とも言われています。何故かというと緊張型頭痛の原因は「ストレス」と「悪い姿勢」だからです。
1つめの原因は、ストレスと言われています。会社や学校でのストレスや人間関係での悩み、家庭での問題など、人によって様々なストレスの元となる原因を抱えています。ストレスとひとことで言っても、精神的なものだけではありません。ストレスの種類には、上に挙げた「精神的ストレス」の他に、「身体的ストレス」もあります。身体的ストレスの原因としては、長時間労働による身体の疲れや、パソコンやコンビニなどの照明に使われるブルーライト、運動不足や不規則な生活などがあります。現代の日本社会は、精神的ストレスだけでなく身体的ストレスも抱えやすい環境となっています。
2つ目の原因は、姿勢が悪いことだと言われています。現代社会では、どうしても悪い姿勢をとってしまいがちな状況が少なくありません。仕事でパソコンを使うことが多くはないですか。パソコン作業では、モニターを見るために顔を下げたり上げたり、顎を突き出したりする姿勢になってしまいがちです。実はこの姿勢こそが、緊張型頭痛の原因となる「悪い姿勢」なのです。首・背中の筋肉が凝り固まってしまい、いわば筋肉がずっと緊張している状態となります。筋肉の緊張が高い状態が続くと、筋肉のなかに乳酸という物質が蓄積されます。この乳酸には、周囲の神経を刺激する性質があり、それが緊張型頭痛を引き起こしてしまいます。
緊張型頭痛を治療するには、「ストレス」と「悪い姿勢」、この原因にアプローチすることが重要となります。重度であれば病院での服薬治療や専門的な治療が必要です。病院で行う緊張型頭痛の治療は以下になります。
緊張型頭痛は一般的に、日常生活に支障が出るほど症状が重度となることは少ないです。緊張型頭痛を持っている方のほとんどは、自覚症状が無いほど軽度であるか、普段の生活のなかで対処しているようです。したがって、緊張型頭痛で通院している方は、よっぽど頭痛に悩まされていると言えるでしょう。それほど重度な緊張型頭痛であれば、薬の処方や専門的治療が行われます。精神的ストレスはとても大きく、うつ病などにかかっている可能性も高いです。そのため、抗うつ薬などの精神薬で精神的ストレスを緩和させる治療を行います。また認知行動療法などの精神面にアプローチをする専門的な治療を行うこともあります。身体的ストレスの面では、通院レベルの緊張型頭痛患者では、背中や首・後頭部のコリがとても強くなっていることでしょう。そういった方の場合、筋弛緩薬などコリをとることができる薬が処方されたり、専門家による運動療法で筋肉の柔軟性を上げたりといったアプローチがとられます。
緊張型頭痛の原因は、「ストレス」と「悪い姿勢」です。これら2つの原因は日常生活が元となっているので、予防や改善も、普段の過ごし方に隠されています。緊張型頭痛を予防・改善する方法は、今すぐ取り組めるものばかりです。
ストレッチや軽い運動には、精神的ストレスを解消し、気持ちを前向きにする効果があるとされています。身体を伸ばしたりジョギングをした後に、気分がスッキリしたという経験はありませんか。ストレッチや軽い運動には、身体的ストレスや悪い姿勢によって凝り固まった筋肉をほぐす効果もあるため、緊張型頭痛を改善するためには抜群です。また、入浴をしたり身体を温めたりすることも、緊張型頭痛には良い効果をもたらします。筋肉は、温めると緊張が緩くなる性質があります。実際にリハビリや整骨院などでも、「温熱療法」と呼ばれています。ゆっくりと入浴することで、全身の筋肉の緊張が解きほぐされます。また、仕事中など入浴できないときであっても、身体(特に首)を温めることで、その周囲の筋肉は緩まります。先ほどもお伝えしたとおり、心と身体は密接に影響し合います。身体の緊張が解きほぐされれば、心もリラックスできることでしょう。仕事や作業中にこまめに身体を伸ばすように心掛けることもオススメです。筋肉は動かされないとそのままの状態で固まる性質があります。パソコン作業など同じ姿勢が続く状況であっても、最低でも1時間に1回は軽いストレッチを取り入れましょう。
群発頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛と並んで慢性頭痛に分類されていますが、そのなかでも特徴的な症状がみられます。それは、とにかく片側の強い痛みに襲われることです。群発頭痛を持っている方は、その痛みの強さから、発作時にのたうち回ったり頭を壁に打ち付けるような異常な行動を起こします。そのような異常な行動は、群発頭痛の痛みが激しすぎて静止していられないことから起こります。群発頭痛の激しい痛みは、「片目をスプーンでほじくり出されるような痛み」であったり、「片目の裏を針で刺されるような痛み」といった表現をされているほどです。生きているうちに味わえる三大痛として、「心筋梗塞」や「尿路結石」と並べられるほど、群発頭痛は痛みが強いことで有名です。群発頭痛の特徴的な症状は、上でご説明した強い痛みのほかにもいくつか挙げられます。
これらが群発頭痛でよくみられる症状です。特に、群発頭痛に特徴的なのが、痛みの出る周期です。半年から数年の周期で定期的に起こる方が多く、発作が一度起きるとそれから毎日頭痛にみまわれることになります。そして、群発頭痛に悩まされる方のほとんどが20歳~40歳代の男性だということも特徴として挙げられます。つまり群発頭痛は、働き盛りの男性に起こることがほとんどです(男性は女性の3~5倍)。群発頭痛のもう一つの特徴は、頭痛にともなって痛む側の目になにかしらの症状がでることです。頭痛発作中には、涙が出たり目が充血したりするなどといった症状がみられます。また、頭痛側の鼻が詰まったり鼻水が多量に出る方もいます。
残念ながら群発頭痛の原因は今のところはっきりと解明されていません。群発頭痛が引き起こされるメカニズムとして考えられているのが、内頚動脈周囲に起源を求める説や、視床下部に起源を求める説が挙げられますが、いずれにしても頭痛信号が三叉神経血管系を介することで群発頭痛が引き起こされるようです。群発頭痛を発症している方の傾向をみることで、ある程度の誘因が分かってきています。
群発頭痛を引き起こす誘因は2つ考えられています。
群発頭痛が起こる時期(群発期)にアルコールを摂ることで、頭痛が誘発されたりより強くなってしまったりすると言われています。特にアルコール飲料を多く飲む習慣がある方は発症割合が高いとされています。また、群発頭痛患者の喫煙率は一般人口の2~3倍であり、喫煙も群発頭痛発症に関わっている可能性があります。アルコールには血管を拡張させる効果があり、群発頭痛の直接的な誘因となると言えるでしょう。次に、気圧の変化も群発頭痛の誘因となるとされています。気圧が高いと、身体にも圧力がかかります。外部から圧縮されるような圧力が身体にかかると、体内の圧も高まり、結果的に血管は収縮します。反対に、低気圧は血管が拡張するとされています。天気が悪く気圧の低い日は、群発頭痛だけでなく片頭痛なども出やすいとされています。それはなぜかと言うと、脳の中の血管が拡張してしまうからです。群発頭痛は飛行機に乗ったときの急激な気圧の変化で引き起こされることがしばしばあります。どうしても乗らなければならない時もあるかと思いますが、群発頭痛を自覚している期間はできるだけ飛行機での移動を避けた方が良いでしょう。
根本的な治療は今のところまだ難しいとされています。群発頭痛のメカニズムや原因は現時点ではまだ仮説の段階です。原因が分からない以上、根本的な治療はできないため、群発頭痛の治療は痛みをできるだけ和らげることを目的として行います。群発頭痛の治療には、大きく分けて2つ挙げられます。
片頭痛の頓挫薬で使われるトリプタン系薬剤が、群発頭痛に対しても一定の効果があるとされています。片頭痛の頓挫薬には血管収縮作用があるため、群発頭痛の原因となる血管拡張を抑えることができるのです。頓挫薬を服用するタイミングは、群発頭痛の発作が出始めた時です。トリプタン系薬剤の中でもイミグラン注射が最も有効です。イミグラン注射は他のトリプタン系薬剤の中で最も早く血管を収縮させる効果があります。もう一つの群発頭痛の特徴的な治療法となるのが、酸素吸入です。専用の酸素吸入器具を使用し、純度100%の酸素を15分間吸引すると、群発頭痛で悩んでいる方の80%に症状の緩和が認められるようです。この酸素吸入法も他の治療法と同じく、頭痛の出始めに行うことで効果が発揮されます。
群発頭痛を発症してしまった方にとっては、その症状を少しでも和らげたいのではないでしょうか。その予防療法としていくつかの薬剤がありますが、なかなか有効なものが少ないのが現状です。ここでは、群発頭痛の症状を少しでも抑えるのに効果の見込める方法を3つご紹介します。
入浴時に湯ぶねに浸かることで血管が拡張し、群発頭痛を引き起こしたり強くしたりしてしまう恐れがあります。群発頭痛が出ている時期(群発期)には、シャワーで済ませるようにしましょう。また、群発頭痛が出ている時期(群発期)に飲酒するのは自殺行為です。1か月以上の禁酒期間になるかもしれませんが、それにより群発頭痛から早く解放されると思えば何とかなるはずです。群発頭痛で痛む部位を氷水などで冷やすこともおススメです。冷やすことで炎症を抑えたり血管を収縮させることができ、結果的に頭痛を抑えることができるかもしれません。群発頭痛はその強い痛みの影響で気を病んでしまう方も少なくありません。群発頭痛は日常生活のなかで対応しきれる範囲の痛さではないケースがほとんどです。群発頭痛の疑いがある方は、ぜひ病院を受診してください。