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頭痛

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頭痛について

頭痛について

頭痛は誰もが一度は経験したことのある症状だと思います。日常的に頭痛に悩まされている、いわゆる「頭痛もち」の方は多いものです。頭痛はかぜや疲れ、長時間の集中などのストレスでも起こる日常的な症状で、多くは、他に原因となる病気がない「一次性頭痛(慢性頭痛)」です。市販薬を服用したり、十分睡眠をとったりすることで、自然に治る場合は、それほど心配がない頭痛といえます。一方、病気が原因で引き起こされる「二次性頭痛(危険な頭痛)」は、くも膜下出血、脳腫瘍、脳血管障害など、命にかかわる重篤な疾患が起因していることがあります。
突然、今までに経験したことのない激しい頭痛が起こったり、手足の麻痺・しびれ・けいれん、嘔吐や高熱などを伴ったりする場合は早急な受診が必要です。

一時性頭痛(慢性頭痛)について

繰り返し起こる頭痛ですが、はっきりした原因や異常がみつからない頭痛です。いわゆる「わたしは頭痛もちだから」と自己判断されている方の多くが当てはまります。普段の生活にも支障がでてしまうのに我慢されていませんか?この一次性頭痛(慢性頭痛)のほとんどは、「片頭痛」「緊張型頭痛」「三叉神経・自律神経性頭痛(群発型頭痛を代表とする)」の3つに分けられます。

片頭痛

片頭痛の名称は頭の片側が痛むことに由来しますが、4割の方は両側の頭痛を自覚します。女性に多い傾向があります。約3割の方が、頭痛の前にキラキラと何かが見える、ギザギザの光が見える、といった視覚性の「前兆」がみられ、前兆は多くの場合、60分以内に終わり、続いて頭痛が始まります。頭痛はズキンズキンと脈打つように痛み、吐き気や嘔吐・眠気を伴うこともあります。
光や音、匂いに敏感になることもあります。片頭痛の発作は通常4~72時間程度で、症状が消えると普段と変わりなく過ごすことができます。しかしながら頭痛発作がない時(発作間欠期)にもいつ頭痛発作に襲われるのではといった恐怖感や不安から、なかなか旅行などを積極的に計画できないなどの生活への支障が生じやすいです。片頭痛の発生機序は完全には解明されていないものの、疲労やホルモンバランスの変化、光や音の強い刺激などによって、三叉神経という神経から炎症物質(CGRP:痛みの直接の原因とされているタンパク質)が放出され、硬膜(脳の表面の膜)の血管に炎症と血管拡張が生じて起こると考えられています。

よくある症状

  • 月に数回、頭痛をくりかえす。
  • 頭痛は数時間から長くて3日続く。
  • 頭の片側(両側)にズキンズキンと脈打つように痛む。
  • 日常的な動作(歩いたり座ったり立ち上がったりするなど)で悪化する。
  • 学校や仕事、家事を休んで寝ていたい。
  • 吐き気をともなう。
  • 光や音、匂いに過敏になり、できれば暗い静かなところでじっとしていたい。
  • 女性に多く親も頭痛もちである。

治療方法

トリプタン製剤やジタン製剤の頭痛発作時内服、発作予防薬(CGRP関連抗体薬も含む)の投与

緊張型頭痛

緊張型頭痛は頭痛の中で最も頻度が高く、後頭部、こめかみ、ひたいを中心に頭重感や圧迫感、または締めつけられるような痛みがジワジワと発生し、しばらく続きます。筋肉の緊張(血行障害)、あるいは精神的・肉体的ストレス、疲労、自律神経の乱れなどによって起こります。PC作業を中心としたデスクワークやドライバーなど、長時間同じ姿勢で仕事を続ける職種の方に多いとされています。長時間、パソコンや車の運転などでうつむきの姿勢が続くと、頭や首、肩の筋肉に負荷がかかり、血流が悪くなって頭痛が起こりやすくなります。首肩こりを感じたら、定期的に軽いストレッチをして頭痛を予防しましょう。

よくある症状

  • 頭全体がギューッと締め付けられるような、圧迫されるように重く痛む。
  • 痛みは数十分から数日間持続する。
  • 日常的な動作で痛みは強くならない。
  • 何とか学校や仕事、家事はできる。
  • 肩こりや首こりが強い。
  • マッサージや入浴で痛みがやわらぐ。
  • 長時間のデスクワークや勉強、精神的ストレスが強い。
  • 吐き気や嘔吐はまずない。

治療方法

ストレッチ、温熱療法、トリガーポイントの指圧

三叉神経・自律神経性頭痛(群発型頭痛を代表とする)

群発頭痛は、片側の目の奥がえぐられるような強烈な痛みが起こります。
一定期間に集中して起こるため「群発」という名称がついています。1~数年に1~2回程度発症し、群発期には1回につき数十分から3時間程度の激しい痛みが生じ、数週~数か月にわたって続きます。1日に何度も起こすこともあります。比較的稀な疾患で、男性に多く発症する傾向があります。また喫煙者に多いという報告もあります。発症メカニズムは完全に特定されていませんが、血管の拡張が関わっていると考えられています。痛みが強く、日常生活や仕事にも支障をきたすことが多いため、適切なコントロールが重要になります。上述のような症状(発作)が起きたら、速やかに頭痛の専門医を受診することをお勧めします。

よくある症状

  • 1年の決まった時期、毎日の決まった時間帯に痛みが起こる。
  • 片方の目の奥を中心に、突き刺さるような、目をえぐられるような激しい痛み。
  • 痛む側の目が充血したり涙や鼻水がでる。
  • 痛くてじっとしていられない(横にもなれず歩き回ってしまう)。
  • 20~40歳代の男性に多い

治療方法

スマトリプタンの投薬及び酸素投与により軽快します。また、喫煙や飲酒により悪化しますので発作期間中は禁煙、禁酒を指導します。

二次性頭痛(危険な頭痛)について

頭痛の多くは命に関わらない頭痛(一次性頭痛、慢性頭痛)ですが、時に命に関わることもある危険な頭痛(二次性頭痛)が含まれます。この二次性頭痛には、くも膜下出血や脳出血といった脳卒中、脳腫瘍、髄膜炎など命に関わる場合があります。上記のような頭痛を感じたら、すぐに医療機関の受診が必要です。また、一次性頭痛(慢性頭痛)をもっている方でも、いつもと違うタイプの頭痛を感じたら、二次性頭痛をきたしていることもあるので専門医での診察が必要です。

危ない頭痛のサイン

  • 今までに経験したことがないタイプの頭痛
  • 前触れなく突然おこる頭痛
  • 何かしているとき(トイレ中、興奮したときなど)に起こった頭痛
  • 頻度と強さが増していく頭痛
  • 発熱や嘔吐、めまいをともなう頭痛
  • 早朝や起床時に起こる頭痛
  • しびれや麻痺をともなう頭痛
  • 頭をケガした後の頭痛
  • 40歳以降に初めて起こる頭痛